日本ハムが来季「清原」を補強する可能性があることが7日、分かった。今秋のドラフト会議の指名対象候補として、地元の社会人JR北海道の清原雄貴投手(23)をリストアップしていることが判明。母理佳代さん(49)は、西武、巨人などで活躍したスラッガー清原和博氏(47)といとこにあたる。近年の補強ポイントの左腕で即戦力。既に球団幹部も視察し、評価が上昇している注目株の1人だ。

 日本ハムが、あの「清原」のDNAを持つ即戦力左腕をリストアップした。ドラフト本番の秋まで見極めを図っていくが、現時点で清原氏の親戚のJR北海道・清原を指名候補に入れていることが分かった。直球は140キロ台前後が主体もキレがあり、スピード以上の力があると評価。補強ポイントの左腕だけにドラフト解禁の今季、マークを本格化させた。球団幹部は「まだ春の段階だが、現時点で、名前が挙がる1人ではある」と、関心を持つ素材と明かした。

 名前負けしない、魅力を持つ。清原氏と同じ大阪・岸和田出身。同じ「岸和田リトル・シニア」を経て、強豪の東北(宮城)へと進学した。3年夏の甲子園に控え投手として出場。日本ハム岡がエースで4番だった倉敷商(岡山)との1回戦に救援登板して初戦突破に貢献した。東北福祉大へ進学後は、やや伸び悩み3年春から公式戦に登板。高卒と同時にプロで大スターになった清原氏のように華やかではないが、地道に才能をはぐくんできた。

 JR北海道に14年に入社後、着々と頭角を現した。スリークオーター気味の技巧派タイプ。変化球を含めた制球が課題だったがドラフト解禁の2年目の今季、克服の兆しを見せているという。90キロ台の独特のスローカーブなど特長もあり、投球スタイルの完成度も向上した。球界でも希少価値の高い左腕で、中継ぎの適性がある即戦力との見方もあり、複数球団が注目。日本ハムはセットアッパー宮西以外は若手が伸び悩み、後継を含めた人材が手薄だけに、清原にも興味を示しているとみられる。

 母が清原氏のいとこで、幼少時から正月に顔を合わせるなど、深い縁がある間柄。日本ハムは地元の社会人チーム在籍ということもあり、既に球団幹部が公式戦を視察している。上位候補ではないもようだが今後も熱視線を送っていくことになりそう。投手と野手の違いはあるが、来季の日本球界に「清原」の系譜が、復活なるか注目だ。

 ◆清原雄貴(きよはら・ゆうき)1992年(平4)3月15日、大阪府岸和田市生まれ。八木南小5年から岸和田リトルで投手として野球を始める。久米田中時代は岸和田シニアで1年秋からエース。東北高では2年春からベンチ入りし、夏の甲子園に出場。秋は背番号1。東北福祉大を経て、14年4月にJR北海道に入社。1年目は公式戦登板なし。4月のJABA四国大会、新日鉄住金広畑戦で公式戦初登板し、先発で5回3安打無失点に抑えた。直球の最速は144キロ。家族は両親と妹。176センチ、85キロ。左投げ左打ち。血液型AB。

 ◆PL学園・清原のドラフト 85年夏の甲子園で優勝し、ドラフトの目玉だった清原は巨人を熱望していた。その巨人は同年のドラフトで、早大進学を打ち出していた同僚の桑田を単独1位指名。密約説が出る騒ぎとなった。清原には当時最多となる6球団(南海、日本ハム、中日、近鉄、西武、阪神)が競合し、西武が交渉権を獲得したが、憧れの巨人に裏切られた清原は「今は何も考えたくない」と涙を浮かべた。