ドラフト候補に挙がる亜大・藤岡裕大三塁手(4年=岡山理大付)が2打席連続の2ラン2発を放ち、チームに今季初勝ち点をもたらした。2回にバックスクリーンへ。4回には中越えのランニングホームランした。同リーグの2打席連続本塁打は13年秋、青学大・杉本裕太郎外野手(現JR西日本)が駒大戦で放って以来。藤岡はこの日3安打5打点の大活躍だった。拓大は1分けを挟み6連敗となった。

 その1発は相手拓大ベンチの内田俊雄監督(68)をビックリさせた。2回2死一塁。藤岡が2球目の速球を捉えた打球だ。「低めでしょう。驚きです」。ライナー性となって、一気に中堅のフェンスを越えた。「打った瞬間、いい感じでした」。藤岡もしてやったりの2ランだった。

 前日の2回戦は1-1のまま延長15回で引き分け。3時間51分を戦ったあと、ナインは東京・日の出町の自校グラウンドに戻ると、フリー打撃を始めた。「大振りになっていたんでセンターを意識してコンパクトに打ち返しました」。約1時間行った打ち込みの成果が翌日、いきなり表れた。

 4回にはまたもバックスクリーンへ一直線。惜しくもフェンスに当たったが、大きく跳ねる間に50メートル6秒0の俊足を生かして生還した。「二塁を回る前に(本塁へ)行けると思った。前は5秒8だったんですが、今は10キロも増えたんで」と笑う。入学時の73キロが今や84キロ。その分パワーもついて通算7本塁打。昨秋は2試合連続の先頭打者本塁打も記録している。

 前日、送球を背中に当てアイシング、電気治療して臨んでいた。そんな影響を見せない大暴れ。現役トップの通算安打を81本に伸ばし、リーグ23人目となる100安打が見え始めた。【米谷輝昭】