先発生き残りへ正念場の広島野村祐輔投手(26)が今日5日、ヤクルト戦に先発する。チームは4位に浮上し、今日勝てば一気に2位へ浮上する可能性もある。野村は開幕ローテーション入りしながら3勝と勝ち星が伸びず、アピール度では福井や新人薮田に後れを取っている。地位を再び勝ち取るためにも、チームを4連勝に導く投球が期待される。

 チームの4連勝を託されたマウンドで、野村は先発生き残りをかける。4日のヤクルト戦が1回裏攻撃中にノーゲームが決まり、3連勝のまま野村にバトンがつながれた。

 「まずは借金を返して5割にする。1つずつ。ここ最近チームに貢献できていないので、勝ちにつなげたいと思います」

 5月14日までに3勝しながら、それ以降勝ち星がない。3連敗中で、前回6月24日阪神戦は4回途中5失点。ローテーション通りなら7月1日に今季3戦3勝の巨人戦に先発するはずだったが回避され、中10日を空けての登板となった。

 7日からは2連戦、3連戦の5試合。次週の登板は巨人戦で好投した新人薮田、福井との比較で、次回登板をかけた争いとなる。「いつも危機感は持っています。開幕のときからあります」。登板内容次第では出場選手登録を抹消される可能性もある。ただ、球宴後には6試合の週が続くだけに、昨年まで3年で28勝右腕の復調は欠かせない。

 登板間隔の関係もあり、今季はすでに3度の登録抹消を経験している。そのたびに自分と向き合い課題克服に努めた。前回登板では体の開きが早くなり、阪神打線に痛打され失点を重ねた。「シーズンの中で体も変わっている。そこに対応しきれなかった」。ランニングメニューとキャッチボールの球数を増やし、特に約30メートルの距離で投げ込みフォームを確認した。

 降雨ノーゲームでも、チームの勢いは止まらない。DeNAが敗れたことで、戦わずして4位に浮上した。緒方監督は「新井やベテランにはいい休養になったのではないか」と前向きに捉えた。上昇気流に乗るチームに乗り遅れないためにも、野村には結果が求められる。上位浮上をたぐり寄せる投球が、自身の定位置確保につながる。【前原淳】