投手陣の整備を急ぐ中日がメジャー21勝左腕と契約合意に達したことが9日、分かった。インディアンスで中継ぎとして338試合登板の実績があるドミニカ共和国出身のラファエル・ペレス投手(33)。先発、中継ぎともに経験豊富で、左腕不足の中日には願ってもない存在になりそう。左肘痛で離脱中のバルデスに代わる先発として起用される見込みだ。

 中日に頼もしい新戦力が加わる。ペレスは一両日中に来日予定。すぐに発表、会見となりそうだ。

 身長191センチの長身。直球は140キロ前半で、スライダー、チェンジアップなどを低めに投げ分ける。今季中日に加入したバルデスに似たタイプ。インディアンスでは06年から7年間、中継ぎのスペシャリストとして活躍した。338試合登板とフル回転し、実績も経験も十分ある。

 左肩の手術を受けた13年以降はメジャー昇格を果たせていない。今季もマリナーズとマイナー契約をしたが、7月上旬に自由契約になっていた。マイナーではほぼ先発1本で稼働してきたため、中日は先発の即戦力に期待している。左肩の心配もなさそうだ。

 球界関係者によると真面目で謙虚な性格も日本向きだという。球団は数年にわたりドミニカ共和国のウインターリーグ(WL)などでチェックしてきた。昨オフのWLでは所属するヒガンテスのエースとして優勝。森ヘッドコーチが現地で視察し、獲得リストには入れていたが同じく左腕のバルデスと契約した。

 そのバルデスは開幕から先発ローテーションで活躍したが、6月に左肘痛を発症。まだ復帰メドが立っていない。右肘に不安を抱える吉見に続くローテ投手の離脱で、陣容の立て直しが急務になっていた。

 球団はペレスと並行して、独立リーグ四国IL・香川の右腕、ドリュー・ネイラー投手(29)の獲得も検討中。現在、最下位に落ち込んでいるが、投打ともに若い戦力を投入しながら風向きを変えてきた。ただ、この日も又吉、田島が2イニングずつを投げるなど、薄い投手層のしわ寄せは間違いなくある。新たに加入するペレスの存在も、中日にとっては大きな追い風になるはずだ。

 ◆ラファエル・ペレス 1982年5月15日生まれ、ドミニカ共和国・サントドミンゴ出身。02年にインディアンスと契約。06年にオリオールズ戦でメジャーデビュー。09年WBCのドミニカ共和国代表。MLBでは中継ぎとして活躍。通算成績は338試合に登板し、21勝12敗、3セーブ、防御率3・64。今季はマリナーズとマイナー契約を結び、メキシカンリーグに派遣されていた。191センチ、89キロ。左投げ左打ち。