中日白井文吾オーナー(87)が16日、名古屋市内で行われた前半戦報告会で、谷繁元信兼任監督(44)に「谷繁流」の継続を指令した。借金8で20年ぶりの最下位ターンという成績ながら、冷静な判断力や若手を登用しながら戦うマネジメント能力を高く評価。来季続投を基本線とした上で、優勝への期待も語った。

 報告会は佐々木球団社長、西山球団代表を交えて約2時間行われた。話し合いを終えた竜の総帥は笑みを浮かべて登場した。

 白井オーナー 大変マネジメントがよろしい。選手やコーチを冷静に観察して、冷静な判断を下している。カッカするような場面でも落ち着いた態度をもってね。評価? そうです、そうです。最近、若い選手も出てきて力を発揮できるようになってきた。状況が変わりつつあることは理解している。したがって、希望を持っている。希望じゃない、その(優勝の)つもりでいる、と伝えました。

 就任2年目の兼任監督に賛辞を繰り返した。借金8の最下位。最下位での前半終了は20年ぶりだが、空前の「混セ」で首位とのゲーム差が4しかない。この状況で、今の谷繁流を続ければ希望は持てると確信。「いろいろなことを言われると思うが、監督がこうだと思う方向に進んでいけばいい」と伝えた。

 契約は17年までの4年契約。続投は既定路線で「そらそうだな。そういうつもり。まあオレもいつ倒れるか分からんけど、今年は生きているつもりだから」と監督交代の検討はしていない現状を明かした。

 大記録も追い風になると読む。「記録を達成したらチームは強くなるんじゃないかな。気が楽になるから。1人2役は人の倍、神経を使う。大変な労働ですから」。日本記録、野村克也の3017試合出場に並ぶまで2試合。桂の急成長もありペースダウンしているが重責の軽減効果にも期待した。

 「楽しみあり、苦しみない!」。4年ぶりの優勝へ、明るい展望を見通していた。【柏原誠】