すぐにでも1軍合流して~。中日に新加入したメジャー21勝左腕、ラファエル・ペレス投手(33=前マリナーズ)が17日、幻惑投球で打者を翻弄(ほんろう)した。ナゴヤドームでの全体練習でシート打撃に登板。動く直球や変化球をコースに集め、打者13人に被安打2だった。

 捕手の真後ろで見ていた打者やコーチ陣が1球ごとに首をひねった。「今の球、何?」。ベールを脱いだ新外国人左腕の武器は幻惑投球だった。

 直球のサインでも手元でカットし、時には落ちる。最速は138キロだったがナチュラルに変化する球に各打者は戸惑った。そこにスライダー、カットボール、チェンジアップを交えた。2打席右飛の遠藤は「全部動いている。打ったのはスライダーと思っていたけど直球。打ちにくいです」。赤坂は「低めに集められたら全部ゴロになると思います」と苦笑いした。

 久しぶりに打者に対して投球したというペレスは「直球も変化球も制球がよかった。内外角に投げ分けられた」と納得した。さらに驚かせたのがけん制だ。一塁走者に入った亀沢が裏をかかれること2度。「同じモーションで投げて来るので分かりづらい。クイックのタイムはそんなに速くないけど、スタートを切りづらい」と舌を巻く。ペレスも「自信はあるよ。タイミングを変えれば走者の動きを抑えられる」と話した。メジャーでは中継ぎのスペシャリストで338試合に登板。経験豊富なところをアピールした。

 前評判にたがわぬ実戦派を証明した。12球団監督会議のため欠席した谷繁兼任監督はいなかったが、すでに1軍のローテ候補として計算されている。来週にも2軍戦登板が予定され、タイミングを見て1軍昇格の見通し。「逆襲のキーマン」の存在が頼もしい。【柏原誠】