ソフトバンク工藤公康監督(52)が猛暑の熱投を見せた。30日に西武第2球場で行われた指名練習に参加。室内練習場のフリー打撃で自らマウンドに上がった。「裏方さんも休まないといけない。打者の状態を見るのは、やっぱり投げてみないとね」。練習直前に大雨が降り、蒸し暑さが増したが、それ以上の「熱男」ぶりだった。吉村、川島に合計67球。全身汗でびっしょりになりながら、「あと30分は投げられる。10球に1球はボールだったけど…」と笑った。

 キャンプ中の登板はあったが、シーズン中は初めて。夜に2位日本ハムが敗れ、6・5ゲーム差。チームは首位独走だが、指揮官に油断の2文字はない。この日、主力選手は休養日。若手や出場数の少ない選手を練習にピックアップした。「ここに来ている選手にも、がんばってもらわないと。全員でやらないと、勝てないよ」。チームの力を結集することに余念がなかった。

 工藤監督は志願参加の中村晃も励ました。「考えるのはいいけど、悩むなよ!」。打撃不振に陥っているが、下を向く必要はない。「悩むって、マイナスなイメージが強いからね。後ずさりできない。前を向いていくしかないんだ」。柳田は復調をアピールしたが、全員が好調なわけではない。チーム打率2割6分9厘を誇る最強打線も、小さなほころびから崩れることもある。猛暑の練習で指揮官自ら先頭に立って、選手を鼓舞した。【田口真一郎】