仙台大は東北工大に連勝し、順当に勝ち点1を積み上げた。左スラッガーの3番松本桃太郎内野手(3年=北海)が5打数5安打2打点の固め打ちで勝利に貢献。前日までの打率2割から一気に4割まで浮上し、完全復調をアピールした。

 仙台大の千両役者が目覚めた。松本は、開幕から4試合で15打数3安打1打点の打率2割と結果を出せずにいた。だが、この日は第1打席から全5打席連続安打をマーク。打点2も加算し「(5安打は)初めて。吹っ切れました」と笑顔を見せた。

 1年春からレギュラー入り。同年秋は打撃3冠に加えてMVPにも輝いた。翌2年春も打点と本塁打賞を連続受賞。チームのみならず、リーグ全体の顔になった。だが今秋は開幕戦から低迷。タイミングは合っていたが、前日までの4試合で、アウト13個中8個が飛球に倒れていた。それでも使い続けてきた森本吉謙監督(41)は「代えたらうちは終わりでしょう」と全幅の信頼を寄せる。

 その森本監督の助言も効いた。「結果じゃない。自分の納得のいくスイングをすればいい」。松本は「気が楽になりました。結果がほしくて合わせにいっていた。何も考えずにフルスイングだけを心がけた」と好結果につなげた。

 リーグ通算11本塁打。だが2季連続で最低規定本数3本に1本足りずに本塁打王を逃している。打席で構える時はイチローポーズだが、「王さんが好き」とホームランバッターを目指している。「まだ取ってないので盗塁王も狙いたい」。久々の「桃太郎コール」に気持ちも乗ってきた。【佐々木雄高】