オリックス谷佳知外野手(42)が12日、今季限りでの引退を明かした。既に球団側に意思を伝え、近日中に正式発表される。2000安打まで73本に迫り、オリックスでの優勝経験はなし。最近まで現役続行への意欲も口にしていたが、潔く幕引きを決断した。

 「(安打の)本数がいっていればやったが…。このままいっても現実的に考えて無理だと思った。球団と話し合い、最終的に自分で決めた」と限界を悟った。

 昨年、移籍していた巨人から古巣に復帰して9試合出場のみ。今季も1軍昇格は6月と出遅れ、8月に出場選手登録を外れた。ここまで10試合で打率1割5分4厘にとどまっている。長年悩まされた右肩痛も引退の決断に影響したようだ。

 プロ19年間で盗塁王、最多安打のタイトルに輝き、01年のシーズン52二塁打は今もプロ野球記録。03年には柔道五輪金メダリストの田村亮子と結婚し、私生活でも注目を集めた。

 本拠地最終戦となる10月3日ソフトバンク戦(京セラドーム大阪)で引退セレモニーが用意される。今後は未定だが、球団側は功労者として高く評価しており、将来的に何らかのポストを用意する可能性がある。

 ◆谷佳知(たに・よしとも)1973年(昭48)2月9日生まれ、大阪府出身。香川・尽誠学園で甲子園出場。大商大から三菱自動車岡崎を経て、96年ドラフト2位でオリックスに入団。02年に盗塁王、03年に最多安打のタイトル獲得。06年オフにトレードで巨人に移籍し、14年からオリックスに復帰していた。173センチ、77キロ、右投げ右打ち。