球団43年ぶり偉業だ。日本ハム中田翔内野手(26)が、オリックス23回戦で2年連続の100打点に到達した。1回2死二塁から、右前に先制適時打で1打点を加え3桁に乗せた。2年連続の100打点以上は、球団では前身東映時代の70~72年に3年連続で記録した大杉勝男以来、43年ぶり2人目の達成。試合は逆転負けしたが、主砲が1つの区切りにたどり着いた。

 苦しみながら生み出した、スラッガーの勲章だった。1回2死二塁。中田が第1打席で、節目に届かせた。先制の右前打が2年連続100打点目となるメモリアルな一打だった。「ただ詰まらせている。いいところに落ちてくれた。それだけ」。70~72年(東映時代)に3年連続で達成した大杉勝男氏以来、球団43年ぶりの快挙で勢いづけるも、チームは敗戦。歴史的記録に目もくれず、視線は先の大舞台を見据えていた。

 中田 どうでも良い。ましてチームが負けているので、残り少ないけどCSに向けて調整していきたい。

 自らを褒めたたえることもなく、照準を合わせる先をあらためて強調した。この日は4回に左前打を放ち2安打マルチ。「甘いのがきたら1球目でも何球目でもいくつもりだった」と、つなぐことに必死でいる。適時打で乗せた大台も、本心からは喜べずにいる悔しさがあった。

 主砲として持ち味の本塁打は、5日オリックス戦から14試合連続で沈黙。30号に王手をかけながら、消化不良の日々が続いている。昨季のクライマックスシリーズ(CS)ではオリックスとの第1ステージ第3戦で決勝弾。ソフトバンクとのファイナルステージ第1戦から3試合連発と大暴れした。迫る大勝負が最大のモチベーションになっている。

 厳しい現状を痛感している。シーズン序盤。日本ハムのヘッドコーチ時代から慕っているオリックス福良監督代行に、冗談で売り込んだことがある。「4億円出してくれたら、いきますよ」。今年の推定年俸は2億。破格の金額でも活躍してみせる自信が、表れていた。それが最近は「3億円でいいですよ」と大幅ダウン。両脚に慢性的な痛みを抱えながらプレーも、終盤になって厳しさが増している。

 栗山監督は「いつも言っているように翔と(陽)ダイカンだから、うちのチームは。CSに向けて、これ(100打点目)をきっかけにしてくれれば良いね」と期待を込める。大記録を踏み台に、力を発揮する時が待っている。【田中彩友美】

 ▼日本ハム中田が1打点を加え、2年連続の100打点をマークした。球団の2年連続の3桁到達は、前身東映時代の70~72年に3年連続で記録した大杉勝男以来、43年ぶり。パ・リーグでは09年中村剛也(西武)以来、6年ぶり。