今季限りの現役引退を決めた中日山本昌投手(50)が一夜明けた26日、ナゴヤ球場での2軍練習に参加し、引退を認めた。「今日あんまりしゃべると会見でネタがなくなっちゃう」と明るい表情だった。会見は来週中にも行われる。来季は評論家になる予定。

 26日未明にはブログで「若返りを推進している現状を目の当たりにしてボクが残ったらダメだと強く感じた。とってもすっきりしています。こんな幸せな野球人生は生まれ変わっても送れない」とつづった。

 さらにビッグプランも急浮上した。ブログでは「50歳登板を実現できず」と記したが、26日にナゴヤ球場で落合GMと話し、引退登板の打診も受けたもよう。候補は最終カードの10月1、2日の広島戦(マツダスタジアム)だ。今年唯一の登板は50歳まであと2日の8月9日。50歳登板ならプロ野球初の快挙になる。

 「投げても、みっともない姿をさらすことになる。セ・リーグは混戦で最後まで戦っているし、若松の10勝もある。いかがなものかと思うけど何とか打者1人でも投げられるように調整できれば」。急ピッチ調整に入り、状態を見てから決まる運びになりそうだ。

 来春のオープン戦で引退試合が用意されるが、前人未到の記録に挑戦する。左手人さし指の靱帯(じんたい)を痛め、ブルペン投球も再開できていない。球界の常識を覆してきた不屈のレジェンドが、最後の奇跡を起こせるか。【柏原誠】