楽天大久保博元監督(48)が最後のあいさつを笑いで締めた。永井、小山伸の引退セレモニー後にシーズンを振り返った。2年連続最下位に沈んだ責任は自らにあると話したが、来年以降は歌舞伎町で居酒屋を始めると宣言。暗いシーズンの終わりをデーブ節で締めくくった。

 超異例の最終セレモニーだった。大久保監督と呼ばれ、マイクの前に立つと「デーブ劇場」が繰り広げられた。

 大久保監督 好きな言葉に人は人と出会い、人になるという言葉があります。本当に人が温かい。僕は仙台が大好きになりました。この成績の全ては私の責任です。僕がやめることで若い選手のミスを水に流してくれたらと思います。今後は歌舞伎町で居酒屋のオヤジをやろうと思っています。みなさん、お越しの際はお立ち寄りください。

 指揮官のまさかのあいさつに、球場は笑いに包まれた。

 今季は苦しい戦いを強いられた。銀次、嶋、藤田が負傷離脱。また掲げた「超機動力野球」にとらわれ、盗塁数は増えたが、得点に結びつけることができなかった。加えてシーズン途中に田代打撃コーチが退団するなど、現場が混乱した。9月22日には低迷の責任を取り、今季限りでの辞任を表明した。1年を戦い、気持ちは次のステージへ向かっていた。

 大久保監督 今から家賃の交渉に入るよ。これから俺は俺になる。オヤジ(星野副会長)からはインタビューは本当か? って聞かれたけど、本気ですよって答えた。またユニホームを着るチャンスもあるだろうから頑張れと言われた。

 12年の1軍打撃コーチで楽天に入り、13年から2軍監督。そして今年から1軍監督となった。思い出を問われるとしみじみ言った。

 大久保監督 2軍でも13年の日本一に携われて良かった。4年間、長かった。よく楽しいと時間が短く感じるというけど、本当に充実していると長く感じるんだな。朝から晩まで野球のことを考えていたもん。

 4年間で残したものは良いことも、悪いこともきっとある。ただ、プロ野球の監督から居酒屋の店主になると話す豪快さは楽天にはないカラーだった。【島根純】