広島東出輝裕内野手兼2軍野手コーチ補佐(35)が10日、マツダスタジアム内で会見を行い、今季限りでの引退を発表した。

 1998年ドラフトで敦賀気比からドラフト1位で入団。1年目から1軍でプレーし、06年から6年連続で規定打席到達。08年、09年には二塁手としてベストナインを獲得するなど、広島の低迷期を支えた。13年2月に左膝前十字靱帯(じんたい)断裂の大ケガを負い、その後は1度も1軍に上がることはなかった。現役17年で通算1492試合に出場。1366安打を記録した。

 2年前のケガから引退を考え、状態が上向いた今季終盤にも1軍に呼ばれなかったことでユニホームを脱ぐ決断をした。「自分のことは子どもの頃から自分で決めてきた。寂しい気持ちはない。チームが戦っている中でまったく力になれなかったので、早くユニホームを脱がないといけないと思っていた」。涙はなく、時折笑顔を見せるなど、終始すがすがしい表情だった。今後は球団に残り、指導者の道を歩むことになった。