日本ハム斎藤佑樹投手(27)が真の復活へ歩み出した。フェニックスリーグの阪神戦に先発も4回9安打4失点。開口一番、自らをダメ出しした。「やばいっすね。今日は良くなかった」。毎回得点圏に走者を背負う投球だった。苦笑いしながら、悪戦苦闘した理由を説明した。「投球フォームを来季へ向けて、いろいろやっているんです」。新たな試みに着手していた。

 来季へ、直球の力強さを追求する。この日は、これまで以上にテークバックを大きくすることを意識した。「やっぱり真っすぐが良くないと他の変化球も生きない」。直球を磨き直し、シーズン終盤に手応えをつかんだフォークなど変化球を、より有効にする考えだ。

 バージョンアップへ向けた初戦は「うまくいかなかった」。リリースポイントのタイミングなど、新たな投球動作に感覚が付いていかなかった。結果は出なかったが「指にかかったボールは『あっ』と思うものもあった」と、収穫もあった。バッテリーを組んだ石川亮には直球を多く要求するよう頼むなど、確かな意図を持ったシーズン終了後の最初の実戦だった。

 結果を伝え聞いた栗山監督は「来年勝負するために、今からしっかりやってもらわないと」と、期待をかけた。斎藤も承知する。「良くなかったからって前に戻そうとは思わない。より良くするためなので」。次回は25日中日戦(アイビー)で今季最後の先発予定。実りの秋へ、手にした課題と向き合って進化の道を探っていく。【木下大輔】