日本ハムがドラフト会議(22日、都内)の外れ1位として富士大・多和田真三郎投手(4年=中部商)を筆頭候補にしていることが19日、分かった。1位指名は競合必至の県岐阜商・高橋純平投手(3年)に内定。抽選で外れた場合、他球団から1位入札されていなければ、最速151キロの即戦力右腕の指名を検討しているもようだ。

 日本ハムの外れ1位として、多和田が最上位候補に浮上した。最速151キロを誇る即戦力右腕は、北東北リーグで通算32勝をマーク。5月に右肩腱板(けんばん)炎症となった影響で、今秋リーグ戦は登板しなかったが、高い評価は揺るがなかった。1位指名が内定している高橋同様に、将来の先発陣の軸となれる逸材として白羽の矢を立てた。

 伸びしろ十分の逸材だ。中部商(沖縄)から12年に富士大へ進学。全国的には無名の存在だったが、1年春からリーグ戦に登板。同年秋の明治神宮大会では、初戦の国際武道大戦でノーヒットノーランも記録した。他球団では西武が強い関心を示し、1位指名の最有力候補にも挙げている。

 高橋を1位指名する方針は変わらないが、単独入札となる可能性は低い。近年のドラフトで無類の勝負強さを誇ってきた日本ハムだが、交渉権を逃すことも十分に考えられる。球団内ではドラフト当日のシミュレーションを重ねている。高橋の抽選を外した場合、他球団が多和田を1位入札していなければ指名に踏み切ることを検討をしているもようだ。

 栗山監督が日本一奪回へ「スケールの大きな投手が、もう1人」と球団に要望している実情もある。今ドラフトNO・1の逸材である高橋の交渉権獲得の成功が第一だが、同様に好素材の東北の怪腕も魅力的。運命の日まで、あと2日。他球団の動向も注視しながら、ギリギリまで戦略を練っていく。

 ◆多和田真三郎(たわた・しんさぶろう)1993年(平5)4月13日、沖縄県中城村生まれ。中部商(沖縄)では1年秋からベンチ入りし、3年夏の沖縄大会準優勝。富士大では1年春からリーグ戦に登板し、通算32勝8敗、防御率1・08。1年秋の神宮大会・国際武道大戦でノーヒットノーランを達成。最速151キロ。182センチ、81キロ。右投げ右打ち。