今年のプロ野球ドラフト会議があす22日、都内で行われる。静岡県勢の大学生では常葉大浜松の岡田圭市投手、日大国際関係の柿沼友哉捕手、相良卒で平成国際大の先生(せんじょう)優成投手(いずれも4年)の3人がプロ志望届を提出した。中でも岡田投手は今春リーグで58イニング自責点0の快投を見せるなど、注目を集めた。力のある直球をプロの舞台でも披露する。

 今春の静岡学生野球は岡田を中心に回っていた。成績は味方失策による1失点のみで、58イニングを投げて自責点は0。無傷の8勝をマークし完全優勝の立役者となった。プロの視線を感じるようになり、心境も変わったという。

 岡田 練習にもスカウトの方が足を運ぶようになり、堂々としていようと思いました。

 昨冬のメニューが今の岡田をつくった。食事とトレーニングをきっちり管理し体重を10キロ近く増やした。岡田は「体を大きくしたいと思っていたけど、それほど本気では考えていなかった」。最終学年でチームを引っ張る立場になり、真剣に向き合うようになった。

 今夏は、へんとうの手術を行ったこともあり秋のリーグは満足な調整ができなかった。小さい大会や選抜として巨人、中日の2軍と対戦するなど試合はこなしたが投げ込み、走り込みとも不足した。「走り込みができなかった」。

 岡田は右サイドから144キロの速球を投げ込み、スローカーブ、2種類のシンカーをもつ。「一番好きなのはオリックスの金子千尋投手。チェンジアップがすごい」と緩急に取り組む。マウンドではほとんど表情は変わらず、本人も「打てるものなら打ってみろ、とけっこう燃えてます」と話す。ポーカーフェースも武器になる。

 投手を本格的に始めたのは中3から。甲子園や全国の経験もないが、プロの入り口まで上り詰めた。岡田は「プロになりたいと思って入学した。諦めずにやればかなうことを後輩には伝えたい」と続けた。堂々とした姿勢でドラフトを迎える。【加納慎也】

 ◆岡田圭市(おかだ・けいいち)1993年(平5)4月18日、広島・呉市生まれ。小2でソフトボールを始め呉中央中では内野手。中3で投手となり、当初は上手投げだったが横手投げへ。呉港に進学も、高校時代の最高成績は広島県8強。常葉大浜松に進学し1年春から登板。リーグ通算35勝13敗。