38度目の優勝へ王手をかけた明大は、日本ハム1位の上原健太投手(4年=広陵)が22日のドラフト会議後初先発したが、自己ワーストとなる2回2/3を7失点で降板した。初回から制球が定まらず7安打4四球。法大に敗れた。明大が今日の3回戦で敗れれば、優勝の行方は31日から始まる早慶戦へ持ち越される。

 マウンドにいるはずの上原が、ベンチで敗北を見守った。ドラフト1位指名を受けて3日後、勝てば優勝が決まる大一番を任されたが、2回2/3を7失点。「雰囲気とか技術的には変わらなかったと思いますが、気持ちがついてこなくて空回りしてしまいました」と190センチ左腕は声を絞り出した。日本ハムのスカウトもスタンドから見守ったが、期待に応える投球には遠かった。

 初回から制球が定まらなかった。先頭の法大・大西千に右前へ引っ張られると一ゴロ、四球を挟み2死一、二塁。5番柴田に2-0から左中間へ運ばれ、2点適時三塁打を許した。上原は「初回からバッターが手を出してくるのがみんなスライダーだった。対策してきているのに気付くのが遅かった」と悔やんだ。

 22日のドラフト会議で日本ハムから1位指名を受け、プロ入りの夢がかなった。夜10時過ぎまで取材対応に追われ、翌23日には日本ハム栗山監督と東京・府中市の明大合宿所で初対面を果たした。どたばたの中で高揚する気持ちを抑え、決戦に向けて準備を積んだが、結果は自己ワーストでの降板となってしまった。

 当然、このままでは終われない。報道陣に3回戦で投げる準備はあるかと問われると、「それは、あります」と即答した。「今日打たれたスライダーでどれだけやれるのか、やってみたい」。先発か、抑えか。投げる機会があれば、1位指名にふさわしい起死回生の投球を見せるつもりだ。【和田美保】