ソフトバンクが2日、ロベルト・スアレス投手(24)の獲得を発表した。1年契約で推定年俸5000万円。背番号「90」。秋季キャンプ地の宮崎で3日に入団会見を行い、同日からチームに合流する。

 「V10」という壮大な夢を実現させるために、外国人補強も先を見据えたものになった。昨年にメキシカンリーグのサルティーヨに入団するまで、プロ経験はなく、草野球をしていた。それでも右腕から最速158キロを記録。粗削りだが、潜在能力は高い。工藤監督は2軍施設で行った入団テストの映像をチェック。「ボールが速いのは魅力だ。日本の野球を学んでくれたら。時間はかかるかもしれないが、バリオスもそうだった。良くなる可能性はある」。その将来性に期待した。

 今年のドラフトは高校生を6人指名。チームは厚い選手層で2年連続日本一を果たし、即戦力補強の必要はない。スアレスはメジャー球団も注目したほどの「隠し玉」で、若い有望株の確保に成功した。成功例に、バリオスがある。11年のシーズン途中に関西独立リーグから獲得。当時は23歳だった。充実したファーム組織で育成し、今季にセットアッパーとしてブレーク。藤川(当時阪神)の持つ17試合連続ホールドの日本記録に並んだ。

 工藤監督は今秋キャンプを若手育成の重要な場と位置づけている。第2のバリオスへ-。さっそくスアレスも鍛錬を積んで、大化けの土台を作る。【田口真一郎】

 ◆ロベルト・スアレス 1991年3月1日、ベネズエラ生まれ。昨年までは草野球をしており、今季メキシカンリーグでプロデビューを飾った遅咲きの右腕。変化球はスライダー、カーブ、チェンジアップ。188センチ、95キロ。右投げ右打ち。