阪神金本知憲監督(47)が「優勝スーツ」をゲットした。日本テレビ系「行列のできる法律相談所」(11月29日放送)の収録に出演した指揮官は番組から1着最低30万円の完全オーダー高級スーツを贈られ、来季優勝会見で着用することを約束。また、競争の末に勝ち残ったメンバーによってスタイルを変化させる考えを明かし、“公約”を実現してみせる。

 「スーツ買おうと思っていたんですよ。本当に!」

 金本監督が大喜びした。人気番組「行列のできる法律相談所」にゲスト出演した際、番組内で1着最低30万円という銀座の高級テーラーが紹介された。そして実際に店に出向きオーダースーツを作製。ボタンホールまですべて手縫いの、輝くグレーの「金本スーツ」ができ上がった。これを、気に入った指揮官は「優勝会見で着てもらえますか?」と問われると「そうですね」と笑顔で約束。来季へ向けての前向きなノルマができた。

 就任1年目から優勝を目指す来季、金本監督がどんなスタイルの野球をやるのか。柔軟な考えを示した。

 「構想をもとにチームを作るのではなく、できたチーム、レギュラー(を)取った選手でそこから構想(を作る)。大砲を並べるとして、でも小さい選手たちが4割打っていたら。大砲たちが全然当たらないのに4番を育てるといって無理やり使うか? 違うでしょう。結果や姿勢を見て『打ちまくるしかないな』『いっぱい足が使えるな』とか(メンバーがそろった時点で)考えればいい」

 選手の個性に合わせてスタイルをつくる。それが金本流だという。

 「例えばね。俺がカープにいた頃、野村謙二郎さん、緒方、江藤とか走る選手は最低3、4人はいるわけ。打てる選手もいる。足も使うし、ホームランも打つ。そういう野球をやっていたが、もうレギュラーは決まっていたやん。(阪神は)今、決まってないやん。今からよ」

 メンバーの大半が固定されていない今のタイガースに明確なスタイルは存在しないという。指揮官はすでに来春の構想として若手を沖縄キャンプに連れて行くプランを明かしている。レギュラーをつかむのはだれか。その時点で金本阪神の野球スタイルが決まる。

 すっかり気に入った高級スーツを着て、晴れやかな優勝会見に臨むため。金本監督の頭脳は、オフも回転し続けることだろう。【鈴木忠平】