ソフトバンク吉村裕基外野手(31)が「鷹の風紀委員長」になる。北九州市内で19日、川島とトークショーを行った。若手に対してプレー以外の部分を指導し、恥ずかしくない社会人にすることがチーム力アップ、V3につながると考えている。

 「巨人軍は紳士たれといいますが、ホークスも紳士たれですよ。僕らはホークスの看板を背負っている。愛される球団になることは大変」と熱く語った。外食するときも、周囲の目を気にして、きちんとした姿勢で食べる。仮に時間がなくてファンのサインの求めに応えられない状況でも、笑顔で断る。プレー以外の部分でもホークスの選手は立派だと言われるように願う。

 移籍して3年。これまでも、正義の男はお立ち台で飲酒運転撲滅や自転車マナーを注意してきた。東福岡から横浜(現DeNA)入りし、来季プロ14年目になる31歳は、10代で厳しく教育されたことを思い出す。「あいさつ、バスからの荷物下ろし。ゲームに出ていても気を配っていましたね」。今季も1つ年上の川島に相談しながら、気付いたことは注意してきた。来季はさらに、嫌われ役になっても、チームの品格を守っていく。

 ハワイV旅行ではオアフ島からハワイ島へ行き、世界3大パワースポットとも言われる「マウラ・ナニ」を訪れ、溶岩の上をはだしで走った。「野球でも負けないですよ」。若手の台頭には鍛え上げた体で真っ向勝負する。自由な雰囲気のソフトバンクの中で、ベテランがピリリとチームを締める。【石橋隆雄】

 ◆吉村の啓発 14年9月3日オリックス戦で決勝打を放ち、お立ち台で「今日はおいしいお酒が飲めると思います。でも、飲んだら絶対車には乗らないでください」と訴えた。翌4日も活躍し、お立ち台で「飲んだら乗るな」を連発。オフには、福岡県警の依頼で交通マナー向上のCMに出演した。今年6月19日の日本ハム戦では、早めの点灯など自転車の運転マナーアップを呼びかけた。