ソフトバンクから海外FA権を行使し、メジャー移籍を視野に入れていた松田宣浩内野手(32)が残留の意思を固めたことが23日、分かった。24日に発表される。パドレスからオファーを受けるなど海外に気持ちは傾いたが、最終的に「ホークス愛」が上回った。今季まで同僚だった松中の背番号「3」への変更も希望している。

 悩みに悩んで、野球人生最大の決断を下した。松田がソフトバンク残留を決めた。自身が定めたリミットは年内。王会長、工藤監督、チームメートの残留を願う声が痛いほど伝わっていた。夫人はメジャー移籍に理解を示してくれたが、長女は1歳になったばかり。総合的に判断し、決意した。

 ソフトバンクという最高の環境を再認識した松田の脳裏には、新たなプランが浮かんでいるようだ。入団から10年間つけた背番号「5」を「3」に変えたい希望があることが判明した。球団に近々要望を伝えるつもりという。松田の中で三塁手と言えば「ミスター」こと元巨人の長嶋茂雄氏。そしてソフトバンクでは、松田がかねて尊敬する元3冠王の松中が背負ってきた。球団の伝統を背番号とともに継承することで、プロ野球人生の第2章に向けたモチベーションにしたいと考えているようだ。

 次回のFA権取得は早くても4年後。年齢的に考えると、今回の決断で「生涯ホークス」となる可能性が高い。円熟期を迎えた「熱男」が、来年は球団初の3年連続日本一にチャレンジする。