ソフトバンクのファーム新本拠地となる福岡・筑後市の「ホークス・ベースボール・パーク筑後」に、1軍首脳陣や選手、スタッフ全員の個人ロッカーが設置されることが27日、分かった。3軍制を敷く球団の育成拠点だけでなく、1軍の調整の場でもあるという考えのもと、異例とも言える総数145個のロッカーを完備。来春から常勝軍団の総合基地として稼働する。

 メーン球場の隣に位置するクラブハウスは完成に近づいている。その中に、あっと驚く秘密があった。工藤監督を始めとする1~3軍の首脳陣、選手、スタッフの個人ロッカーが設置される。ヤフオクドームのように豪華ではないが、1人ずつ縦長のスポーツ用ロッカーが145個も手配されることになった。球界では異例の数だ。

 「筑後は育成だけではない。1軍の選手も充実した施設をしっかり利用してもらいたいということです」と球団関係者は言う。鍛錬の場としては申し分ない規模を誇る。2面の球場に、巨大な室内練習場、豊富なトレーニング器具。打撃マシンは自動で球を拾い上げるため1人でも打ち込める。リハビリ用の流水プールがそろう。ロッカーに必要な道具さえ置いておけば、シーズン中も体のケアや調整など思う存分に使える。

 今季は遠征からの移動日に工藤監督が西戸崎合宿所を訪れ、スーツ姿で汗だくで指導する場面が何度もあった。これからは、ロッカーで着替えてから指導することも可能になる。

 現在の西戸崎合宿所はヤフオクドームから車で約30分。筑後は1時間以上かかり、道路状況にも左右される。そのため、選手寮にも3、4部屋ほど空き部屋をつくっている。1軍選手が急に宿泊したり、ミニキャンプを張る場合でも対応は可能だ。

 長谷川選手会長も「筑後にはすばらしい施設ができるので、それは生かしていきたい。まずは使ってみてから」と話す。145個の全員ロッカーはチームの一体感、そして競争の激しさを意味することにもなる。

 ◆HAWKSベースボールパーク筑後 メーン球場の名称は「ホークススタジアム筑後」。ナイター照明6基を備え、約3000人収容。室内練習場は65メートル×65メートルと12球団で最も広い。施設内にはリハビリ用の流水プールなどがある。JR筑後船小屋駅から徒歩3分。