阪神金本知憲監督(47)が27日、主砲マウロ・ゴメス内野手(31)に「体重管理指令」を出していることを明かした。G砲は、今春のキャンプではパスポート盗難事件に遭って、来日が大幅に遅れた“前科”がある。トラブルを未然に防ぐ意味でも、きっちりと個人面談を行ったようだ。

 来春のキャンプへ向けて、指揮官の心配のタネと言えば、外国人の来日トラブルだ。長く球界にいて、さまざまな例を見ている金本監督だけに、ある程度の覚悟はあるようだ。ゴメスについての心配はあるかと問われると、苦笑いで言った。

 「そらあるよ(笑い)。トラブルで遅れる? それくらいの準備はしておかないと。事前に(トレーニングのことは)言ってあるよ。外国人選手だから(トラブルは)あるもんだと思って。(体重)量らせて帰らせた。面談して、いろいろ話をして、ちゃんと『これ以上体重増えたら知らんぞ』って。でも、外国人選手だからな…(笑い)」

 ゴメスは2年連続でキャンプ初日に間に合っていない。初年度こそ、夫人の出産に関連したものだったが今年は1月末の来日直前、ドミニカ共和国で車上荒らしに遭って来日に必要なパスポートや就労ビザを入れたバッグを盗まれた。球団は急きょ渉外担当を派遣し、パスポートやビザの再発給を手配したが、結局キャンプ合流は2月8日と遅れた。今季は打率2割7分1厘、17本塁打、72打点と1年目に比べ、成績ダウン。どんな状態で来日するのか、気になるところだろう。

 そこで、金本監督は就任直後、ゴメスの帰国前に個人面談を行い、体重管理について指令を出したという。体重を量らせた上で、来日時の目安を設定した。

 「ゴメス、125キロくらいやったかな。元が大きいから5キロ減っても変わりゃしない。117キロは絞り過ぎちゃうとか。5%の体重減らすって、俺はあまり変わらんと思うよ。200キロのヤツが5%減らしても…デカいヤツほど変わりゃせんよ。小さいヤツほど変わっていく」

 指揮官は鳥谷、福留とともに、ゴメスについてもレギュラー確定と明言している。やってもらわなければ困る選手。文化や思想、立場の違う外国人選手とも面と向かい、目標を設定し、約束する。金本監督流の“危機管理”のようだ。【鈴木忠平】

 ▼ゴメスは2年目の今年来日直前、1月26日朝(現地時間)にドミニカ共和国内の自宅駐車場で車上荒らしにあい、パスポートが入ったバッグを盗まれたと球団に連絡。日本時間同28日の来日は延期され、パスポート再取得後の2月7日に来日し沖縄入り。翌8日に練習合流した。

 ▼14年は2月6日にキャンプ参加の予定だったが、1月末に生まれた長女が体調不良で入院したため来日を延期すると、球団が4日に発表。10日に沖縄・読谷村に入った。