勝つための大盤振る舞いだ。中日白井文吾オーナー(87)が4日、年賀式でナゴヤドームの大改修の概要を明かした。フィールドシート設置やベンチの掘り下げなど新設・改修で計20カ所以上をリニューアル。現場の要望を最大限に聞いたもので、オーナーは球団80周年の優勝を厳命した。

 総工費は数億円、97年の開業以来の大規模改修になる。注目はベンチ。グラウンドレベルから深く下げることで、マツダスタジアムなどのように、最前列の選手が立つ形になるメジャースタイルだ。動きの自由度が高くなるため、平田、亀沢を中心にした明るいムード作りに一役買いそうだ。

 硬いと言われた外野フェンスのラバーは外野手の要望を聞いてクッション性を高くする。マウンドは特にリリーフ陣の希望が多かった掘れにくい土に変更する。ファンサービスも抜かりない。フィールドシートのほか、内野席からホーム側のネットを京セラドーム大阪のようなつり下げ式にして、見やすくなる。バリアフリー化もすすめる。ほとんど着工済みで、2月中には完成メドが立つ。

 奮発した分、オーナーの注文は厳しい。「谷繁監督が監督専任になって、80周年で、さあやるぞとスタートして負けるわけにはいかない。突っ走るには故障者を出さないこと。なぜかいつもおかしくなる。トレーニングやキャンプのあり方が問題なのかと」と指摘した。ただ、戦力には自信があるようで「あとは新しく入った新人がやれば、相当やるのではないか。ぜひ日本一を。(名古屋の)都心で盛大にパーティーと行列をやりたい」と期待した。【柏原誠】

 ◆ナゴヤドームの主な変更点 【新設】フィールドシート、バラエティーテラスシート、テラスシート一部バリアフリー化、キッズスペース、落下防止ネット、ドーピング検査室【改修】マウンド、ベンチ、バックネット、内野ネット、ドラゴンズミュージアム、一部トイレ、アリーナ音響、喫煙所