藤浪部屋ノック作戦だ。阪神ドラフト2位の明大・坂本誠志郎捕手(22)が新居でも、同僚と積極的にコミュニケーションを図る。大学時代のチームメートであるドラ1高山とともに入寮。引っ越しを終えた即戦力捕手は、藤浪ら同僚の部屋を訪問して交流する「お部屋突撃プラン」を明かした。

 計画を実行するには、絶好のすみかだ。入寮したばかりの坂本が、寮生のお部屋訪問プランを披露した。

 「(明大でチームメートの)高山だけじゃなく、コミュニケーションを取るために他の選手の部屋に行こうかなと思います。近寄っていくのは苦手じゃないので」。

 捕手である以上は、特にバッテリーを組む投手との意思疎通は不可欠。考え方や性格をいち早く把握すれば、リード面にも生かせるはずだ。

 ターゲットの1人が、寮生活4年目を迎えた1つ年下の藤浪だ。履正社時代に対戦した経験はあるが面識はない。プロ入りから3年連続で2桁勝利をマークし、昨年は221Kで最多奪三振のタイトルを獲得した右腕と、縁あって1つ屋根の下で暮らすことになった。こんなチャンスを逃すわけにはいかない。「邪魔にならない程度に」と前置きしつつ、「(部屋に)行きたいですね」とニヤリ。さっそく部屋のドアをノックするつもりだ。

 坂本は「守れる捕手」として首脳陣の期待が高い。春季キャンプは現時点で沖縄・宜野座1軍に同行する見通し。正捕手候補の梅野と競わせるチーム方針もあり、バッテリー強化の起爆剤として注目される。藤浪の女房役としてアピールに成功すれば、1年目から自然と出場機会も多くなる。

 心優しい一面も見せた。部屋に大の阪神ファンだったという祖父修一さんの遺影を持ち込んだ。

 「いつも(遺影に)手を合わせて試合に行っていた。これからもそうしようと思っています。部屋の一番見えるところに置いておきます」

 天国から見守る祖父も坂本の背中を押してくれるはず。グラウンドで結果を残すためにも、まずは寮で積極的に動く。

<過去の虎新人入寮>

 ◆13年藤浪 大阪桐蔭の制服(ブレザー、ネクタイ)姿。持ち込んだデスクトップ型パソコンには、日米の有名投手の投球映像が収められていた。また、高校の寮で使用していた220センチの敷布団、230センチの掛け布団を持参。

 ◆04年鳥谷 ジャケットをラフに着こなし、手にはボストンバッグ1個。ジャージーや洗面用具など必要最低限の物が詰められていた。部屋にはテレビや冷蔵庫も置かなかった。

 ◆15年横山 スーツスタイルで、持ってきたのは新調したグラブと数着の服だけ。社会人時代の愛用グラブや愛車は置いてきた。

 ◆持ち込み品 05年能見はトレーニングや栄養管理の資料を集めたマル秘ファイル5冊。07年小嶋は同期と親睦を深めようと日本酒2本、赤ワイン1本。13年北條はリラックスするための香。