広島大瀬良大地投手(24)の後援会が立ち上げられることが7日、分かった。前田健太投手(27)が米大リーグ・ドジャースへ移籍することが決定的となり、エースに代わる存在となることが期待される。4日に地元長崎・大村市内で「大瀬良大地投手を激励し囲む会」が開催され、大瀬良を全面的にバックアップするため、地元長崎・大村市では後援会が立ち上げられることが決まった。本人もオフの野球教室など協力に前向き。強力な援軍を得てエース街道を走る。

 期待されているのは、広島の顔だけではない。空港のある長崎の玄関口・大村市の顔となることも期待されている。大瀬良は4日、園田大村市長や長崎日大時代の恩師・金城監督らが集まった「大瀬良大地投手を励まし囲む会」で決意を語った。

 「今度は僕がみなさんに元気や励みを与えられるように頑張ります。マエケンさんが抜けますが、昨季マエケンさんが挙げた15勝を目標にしたいと思います」

 大きな拍手を送られ笑顔の瞳には責任感が宿る。生まれ育った街には深い愛着がある。今オフも昨年12月24日に帰省。「一番ホッとする場所。(昨季の)疲れを癒やすことができました」。2週間近く滞在し、英気を養った。大村市民にとっても、大瀬良は特別な存在のようだ。帰省中ランニングを行う大瀬良に多くの人が声援を送ったほどの人気ぶりだ。

 園田市長はプロ野球の公式戦を誘致できるよう、来年にも大村市野球場の改修工事に着手する考えを明かす。「いつか8月6日に広島で試合を行った後、8月9日に長崎で試合をしてもらい、大瀬良投手にマウンドに上がってもらいたい。そんな夢を持っています」。被爆した両県から野球を通して全国、そして世界へ発信できるものがあるはず-。38歳の若きリーダーから地元の星へ、大きな夢が託された。

 新たな使命を胸に、5日に本格始動した。「マエケンさんの穴を埋められるように。そして大村市の方に結果を残して元気を与えたい。自分に期待している」。広島、そして長崎のため、今季を飛躍のシーズンと位置づける。【前原淳】