巨人が全軍注目の下克上バトルを春季キャンプで開催する。宮崎キャンプの2月14、23日に2軍VS今季から新設された3軍の練習試合を行うことが9日、分かった。場所はひむか球場で調整中。試合での結果、内容次第では選手の入れ替えも実施される可能性があり、「巨人版・桶狭間の戦い」となる。

 高橋新監督は就任後「実力至上主義と思っている。(レギュラーに)取って代わる選手がいれば、それでいいと思う」と競争の活性化を打ち出していた。ピラミッドの底辺から頂点を目指す戦いは指針に沿う。天下を狙う若手、育成選手を束ねる現場も意義を感じる。斎藤2軍監督は「良い刺激になると思う。自分の実力を知ることにもつながる」と話し、川相3軍監督も「3軍にはチャンス。競争を勝ち抜くには2軍を突破しないと。上に『うかうかできない』と思わせないと組織の底上げになっていかない」と説いた。

 戦いぶりは全首脳陣がクロスチェックする。今季から1軍にiPadを支給。2、3軍の試合映像は撮影部隊が結成され、いつでも視聴できるようになる。「どんどん新戦力が出てきてくれた方がうれしい」と人材探求を行う高橋監督の目に留まりやすい環境が整いつつある。14日は1軍の宮崎キャンプ打ち上げ日でもあり、隣接するひむか球場での戦いに直接足を運ぶ可能性もある。

 ギャラリーが多ければ多いほど、野心あふれる選手たちは燃える。育成で川相3軍監督の次男、拓也は「楽しみですね。どういうプレーができるかを見せるいいチャンス。上に上がりたいです。最高です」と下克上を誓った。内なるサバイバル戦から巨人の星が生まれる。