目指せ、野獣ボディー! 楽天育成ドラフト1位の出口匠内野手(17=津田学園)が10日、宮城・柴田郡の仙台大で新人恒例の体力測定を行った。175センチ、95キロ。巨体の中に夢が詰まっていた。「もっと体を大きくしたい。ボブ・サップの腕を目指してて、近づけるように筋肉をつけたい」。額に玉のような汗を浮かべ、目を輝かせた。

 目標は一時代を築いた格闘家ボブ・サップだ。「ザ・ビースト(野獣)」の愛称で、02年にはPRIDEヘビー級王者ノゲイラの三角絞めを片手で持ち上げてパワーボム。格闘技ファンを一夜にして魅了した。規格外の力に憧れ、「(去年の)大みそかの試合は少し見ました。力強い体とか腕とか、格好いい」と目指す所だと決めた。

 格闘技と野球は違うが、力が必要と感じている。右の大砲として高校通算41本塁打。ソフトバンク1位の高橋純平投手(18=県岐阜商)からも本塁打を放った。「握力は80キロあります。手が小さいのでリンゴはつぶせないですけど、指はサクッと入ります」と力士並みの力はある。それでも「ゴツさを求めていきたい」とさらにパンチ力を強化して本塁打を量産すれば、支配下登録への近道となる。

 この日は筋肉量や持久力を計測。秋田トレーナーは「筋肉がつきにくい体ではない。(サップになるには)彼次第」と期待を寄せた。練習次第で野獣にもなれるはず。今日11日からの新人合同自主トレで自らを追い込んでいく。【島根純】