4番は渡さない。ソフトバンク内川聖一外野手(33)が17日、宮崎・日向市での自主トレを公開した。昨季は4番を任され悩み苦しんだ。今季は柳田が4番に意欲を見せているが、内川は安打を量産する自分の持ち味を生かし、4番を打ち続けるつもりだ。

 苦しんだからこそ今年も4番に挑戦する。内川は「1年間単発で終わるのはさみしい。継続してやりたい。4番で成績を残したい」と強い意欲を口にした。

 昨年はスタメン出場134試合すべて4番を任された。初めての4番、主将の重圧。前後で柳田、李大浩、松田が30本以上の本塁打を放つ中、長打や飛距離、打球の角度を意識するあまりに打撃が狂った。打率は右打者初の8年連続3割に届かず、2割8分4厘で終わった。併殺打は両リーグワーストの24を記録した。

 「理想とのギャップに苦しんだ。内川聖一の打撃を突き詰めていきたい」。そのために掲げた目標は日本人右打者が達成していない「200安打」。強い打球だけでなく内川本来の詰まって右前へ落としたり、泳がされながらも外野の間へ運ぶ打球を増やす。インフィールド90度を広く使い安打を重ねることで、内川らしさを取り戻す。

 グアムで自主トレ中の柳田が4番に意欲を見せたことは知っている。「打ちたいと思うのがちょっと遅い。チームとしては松中さんのような4番になってくれたらいいと思う」と、受けて立つ構えだ。

 昨年のクライマックスシリーズ(CS)ファイナル・ステージでは、CS史上初めてとなる3試合連続決勝打。「CSで、ヒントをもらった。いらない考えは排除して、何とか前へ打とうということの積み重ねだと思う」。この日もティー打撃やフリー打撃で、1球1球丁寧に打ち込んだ。キャンプで始まる4番争いを、今年は内川らしさで勝ち抜くつもりだ。【石橋隆雄】