豪快に挑戦状を、たたきつけた。日本ハム中田翔内野手(26)が大胆に、栗山監督へと「宣戦布告」した。26日に自主トレ先の米ハワイから、西川とともに帰国。指揮官が今季は起用法を含め特別扱いしない方針を打ち出していることに、敏感に反応。「オレ(打順)6番の方が、むしろ打つんちゃうか? 監督に言っておいて」と過激なジョークで応戦。早くも最高潮に発奮し、自信をのぞかせた。

 オーラをムンムンに、まき散らした。群衆でごった返す、成田空港。中田が到着ロビーに姿を見せると道を開けるように、人波が引いた。キャップを真後ろにかぶり、上下ブラックのジャージー姿。ハワイでの鍛錬をともにした西川を引き連れ、威風堂々と所信表明。ターゲットは、敬愛する栗山監督だった。言葉だけ取れば過激だが、自分自身で活躍を確信。指揮官へ約束代わりの「宣戦布告」だった。大爆発した昨年11月のプレミア12の打順を例に出し、自虐的に発奮した。

 中田 オレ6番の方が、むしろ打つんちゃうか? 監督に言っておいて。

 愛のムチに、過剰に反応した。栗山監督は一貫して今季、野手では別格の実績を持つ中田に対しても特別扱いしない方針を公言。12年の就任以来、不動の4番に据えているが、その座も安泰ではないとも示唆してきた。報道を通じてなど、間接的に激しく鼓舞してきた。試合での姿勢にも言及してきた。「(中田)翔に限らずダメなモノはダメ。やれることができていないのは、いけない」と、厳しい目で向き合うと宣言していた。

 自覚十分だからこそ、応戦した。5日に日本を出発して20日間、南の島に滞在。西川と阪神西岡、ソフトバンク城所と「クタクタなので、しんどい」というほど、体をいじめ抜いた。トレーナーのケビン山崎氏に師事。2月1日にスタートする米アリゾナ州でのキャンプへ向け、万全の準備を整えてきた。

 中田 勝負の世界やから。「打てない 守れない 走れない」では試合に出る資格はないからね。

 今季で9年目。昨季は30本塁打、102打点と自己最高成績を残した。指揮官の要求をクリアし、さらにその上へと、早くもテンションは爆発寸前。球春へ、現場トップへと激しく息巻いた。【高山通史】