3年目でいよいよ本領発揮だ! ソフトバンク加治屋蓮投手(24)が、初のA組(1軍)スタートが内定している宮崎春季キャンプで開幕1軍をつかむ。入団前に右足故障でつまずき、過去2年1軍登板なし。遅れてきた13年ドラフト1位右腕が、新球チェンジアップを武器に強力投手陣に割り込んでいく。

 勝負の3年目を迎える加治屋の目が輝いていた。まだ正式発表ではないが、春季キャンプで初のA組スタートが内定。27日、西戸崎合宿所でキャッチボールなどを行い汗を流す姿も、どこか自信に満ちあふれていた。

 「(工藤監督ら1軍首脳陣に)見ていただけるのであれば、僕にとってはチャンス。精いっぱいやってきたことをアピールしたい」。昨年秋季キャンプ後に台湾でのウインターリーグに参加。6試合に登板。2試合に先発し、1勝1敗。防御率は1・56。球速も148キロをマークした。

 昨秋から倉野投手総合巡回コーチと取り組んだフォームが固まりつつある。ウインターリーグでは阪神岩貞、中日浜田智らが投げていたチェンジアップに注目。同行した入来3軍コーチから学んだ。今月、宮崎で一緒に自主トレした岩崎から握りを教えてもらった。「岩崎さんの変化球は2軍の打者では相手にならない。スライダーも教えていただきました」。宮崎では、70球ほどブルペンで投げ込むまで状態を上げてきた。

 チェンジアップとスライダーが操れれば184センチの長身を生かした直球も生きてくる。入団前だった13年11月に故障した右足甲の骨折の影響で1年目は2軍戦1試合のみに終わった。

 「1年目、あれだけ悔しい思いをした。昨年は1年間投げられた収穫があった。挑戦する気持ちを忘れず、与えられたところをしっかり投げたい」。2年間の下積みを終え、背番号「14」が1軍で輝く時が来た。【石橋隆雄】

 ◆加治屋蓮(かじや・れん)1991年(平3)11月25日、宮崎・串間市生まれ。大束小3年から軟式野球を始め、大束中では三塁手。福島で本格的に投手を始めた。2年秋からエース。2年夏、3年夏は県2回戦で敗退。10年にJR九州に入社。13年ドラフト1位でソフトバンク入団。昨年は2軍で33試合に登板し9勝3敗3セーブ。防御率3・65。家族は父と弟。184センチ、80キロ。右投げ右打ち。