9時までに帰るぜ! 広島の新外国人3選手が29日、マツダスタジアムで入団会見を行った。守護神候補のジェイ・ジャクソン投手(28=パドレス)は「早く帰りたい」と“定時退社”に並々ならぬ決意を打ち明けた。最速157キロと直球も速ければ「1イニング15球以下」と打ち取り方も省エネでスピーディー。「赤い閉店ガラガラ男」は、勝利まで一直線だ。

 15年のセ・リーグ平均試合時間は3時間11分だった。ならばジャクソンの目標は午後9時帰宅か。長い“残業”は勘弁。リードでバトンを渡してくれれば、すぐに試合を終わらせてやる。早く家に帰りたい。「帰宅部」なみの強い決意だ。ユニホームに袖を通し、白い歯を見せながら語った。

 「試合展開を早く、それで勝つことができれば家にも早く帰れる。家族ともすごせるからね。文化にも早く慣れたいし、楽しみたい。そのためには早く帰る必要があるからね」

 いかに早く帰路につくか。そのすべは身につけてきた。軸となるのはスピードボール。「今季のメキシコリーグと3年前に98マイル(約157・7キロ)を出したよ」。速球に加え、決め球となる2種類のスライダー。昨季3Aで63回2/3で70個の三振を奪った。なるほど、さっさと終わらせるわけだ。

 いやいや、三振を奪っていては時間がかかる。理想はもっと省エネでスピーディーな投球だ。「三振にこだわりはないんだ。1イニング15球までに抑えたい。ベストは10球以下。ストライクを取ることには苦しまないよ」。打たせてアウトをとる引き出しもある。守護神候補に名前が挙がるだけに、何とも頼もしい。

 仕上がりも早い。昨年12月21日までメキシコのウインターリーグで登板していた。「すぐにでも試合に出られる状態だよ」と分厚い胸をたたいた。助っ人外国人にありがちなスロー調整も心配はなさそう。勝利の方程式入りへ、日本人投手にも熱い相乗効果が期待できそうだ。

 「メキシコではスペイン語を話そうとしてきた。日本語も組み込んでいきたい。心をオープンに、いち早く環境に慣れたい」。ナイスガイの言葉がよく似合う。快速右腕が、待ち時間なしにハッピーを運ぶ。【池本泰尚】

 ◆ジェイ・ジャクソン 1987年10月27日、米国生まれ。08年ドラフトでカブスから9巡目指名。昨季パドレスで初めてメジャーに昇格。6試合に登板し、防御率6・23。3Aでは48試合で3勝3敗14セーブ、防御率2・54。185センチ、88キロ。右投げ右打ち。家族は夫人。

 ◆午後9時に帰れば 中区のお好み焼き店が集まる「お好み村」の全店舗に入店が可能。午後10時まで営業の「そごう広島」10階のレストラン街にも入店出来る。また中区の「天満屋」内にある「ヤマダ電機」も午後10時まで営業。自宅では火曜サスペンスや金曜ロードショーなど2時間枠のテレビ番組をフルで見ることが出来る。