幻惑のナックルカーブで白星を積み上げる。ヤクルトの新外国人カイル・デイビーズ投手(32=ヤンキース)が、開幕カードと同じ巨人戦で宝刀ナックルカーブを解禁した。0-0の3回から登板。4回2死走者なしで迎えた坂本の打席だった。カウント1-1からの3球目。縦回転の弧を描き、二飛に抑えた。117キロの変化球について、「ブレーキングボールだよ。本当はもっと外角低めに決めたかったけど」と正体を明かした。

 3回1死走者なし。岡本の打席では、カウント1-1から真ん中低めに決めて空振りを誘った。「決め球でも、カウントを稼ぐ場面でも使える」と質の高い武器をアピールした。直球の最速は143キロ。158キロを計測したこともあるメジャー通算43勝右腕は「まだまだスピードは上がっていくよ」と自信をのぞかせた。来日初の実戦で2回を1安打無失点。真中監督も「丁寧に投げている」と評価した。

 マウンドを降りれば、陽気な米国人。春季キャンプ中は、日本食を堪能した。「赤ちょうちんの居酒屋にオンドルセクたちと行ったよ。近くにいた日本人とも写真を撮ったさ」。モツ煮込みやうなぎにも挑戦したが、「うなぎだけは駄目だ」と日本の文化にも積極的に順応しようとする。

 次回登板は、3月6日の中日戦に決まった。開幕ローテに入る可能性は高く、第3戦の巨人戦が有力だ。変幻自在の投球で再び翻弄(ほんろう)してみせる。【栗田尚樹】