3戦連続無失点の快投で、開幕ローテーション入りを勝ち取った。ヤクルトのドラフト1位原樹理投手(22=東洋大)がソフトバンク戦に先発し、5回を3安打無失点。オープン戦は3試合で計11イニング無失点として試合後、真中満監督(45)から開幕ローテ当確をもらった。当初は開幕6戦目の起用が検討されていたが、開幕カードの巨人3戦目(27日、東京ドーム)に繰り上がり、同じドラフト1位桜井俊貴投手(22=立命大)との先発デビュー対決に向かう可能性が高まった。

 日本一のソフトバンク打線まで抑え、原樹が首脳陣の評価を不動のものにした。初回2死走者なし。前日11日に「対戦したくないです」と弱気になっていた柳田を迎えても初球、内角低めにカットボールを食い込ませた。空振りを奪い、なおも攻める手を緩めず、胸元へのカットボールで二ゴロに仕留めた。「打たれたら次の日に『プロの洗礼』と書かれると思っていた」という不安な気持ちを、強気な投球で打ち消した。

 攻める姿勢を貫いた。4回は四球と単打で無死一、二塁。普通のルーキーなら大崩れしそうな場面でも、原樹は堂々としていた。内川をシュートで投直併殺。2、5回にも出塁を許したが、全てシュートで併殺打に取った。「内を突くのが自分のスタイル」と、5回をわずか44球で3安打無失点。プロ入り後は実戦でまだ失点がなく、真中監督は「いける。(開幕ローテ)当確」と明言した。

 好投を続けることで評価も青天井。31日阪神戦での神宮デビュー計画から、開幕3戦目に投入されるプランに軌道修正され始めた。登録4人の外国人を最大限に生かしたい考えがあり、オンドルセクとバレンティンは当確。手薄な中継ぎを厚くするため、開幕直後は好調なルイス・ペレス(31=ブルージェイズ)とジョシュ・ルーキ(31=メキシカンリーグ)をブルペン待機させる構想が浮上している。先発要員のカイル・デイビーズ(32=ヤンキース)を開幕6戦目以降に回すことで、ペレスとルーキの登録期間を延ばすことが可能となる。

 そうなれば原樹は、敵地で巨人1位の桜井と投げ合う可能性がある。次回登板は20日の日本ハム戦。中6日で運命の日を迎えることになりそうだ。【栗田尚樹】

 ▼原樹が5回を無失点に抑え、これでオープン戦は通算11回を投げて失点0。90年以降、ヤクルトの新人でオープン戦初登板から10回以上無失点を続けたのは、91年岡林(14回)13年小川(12回)に次いで3人目。公式戦で岡林は12勝、小川は16勝と、2人とも本番で2桁勝利を挙げて活躍したが、原樹はどうか。