10勝一番乗りだ。ロッテは先発イ・デウン投手(27)が4回途中でKOされたが、そこから藤岡貴裕(26)益田直也(26)内竜也(30)西野勇士(25)の4投手が無失点リレーで逆転勝ちし、首位をがっちりキープした。今季初の3連勝で、貯金は今季最多5。鉄壁の救援陣が快進撃を支えている。

 託されたバトンを、きっちり受け止めた。最少リードで迎えた9回、西野は1死から安打を許したが、最後は楽天聖沢を遊ゴロ。リーグトップ6セーブ目で締めた。伊東監督の声は弾む。「良いゲームでした。リリーフ陣が完璧に抑えてくれた。逆転されても集中力がある。ベンチの雰囲気はすごくいい。いつか(再)逆転してくれるというのがあった。安心して見ていられます」と冗舌だった。

 実は、悪い予感が当たった。今季初先発のイ・デウンについて「ボール、ボールになると自滅するタイプ」と警戒していた。2-0の2回、4四死球などで同点を許した。だが、幸いにも前日、二木がチーム今季初となる完投勝利。救援陣が万全で控えていた。守護神の西野を筆頭に、内、益田、松永と防御率0・00がずらり。防御率は0じゃないが、藤岡、南も安定している。1点を追う4回1死から、その藤岡を投入。益田、内、西野と0でつなぐうちに、打線が逆転した。

 相乗効果だ。西野は「今年に関しては、自分が抑えという安心感が全然ない。(手術を乗り越え)内さんが戻ってきた。益田さんも調子いい。(今は2軍でも)大谷さんもいる。去年は抑えの代えはいない形だったけど、今年はダメなら交代という感じ。プレッシャー、感じます」と打ち明ける。ただ、こうも言った。「自分が頑張れば他の人へのプレッシャーになる」。

 高いレベルで競いあうが、首脳陣の手綱さばきも見逃せない。どんなに苦しくても、故障明けの内は基本、リードした展開のみ。その上で、ロングは藤岡、南。中盤以降は右の益田、左の松永を使い分け、8回は内。最後に西野がいる。役割を明確にしている。

 日本一になった05年、10年も10勝一番乗りだった。吉兆データで首位を守ったが、伊東監督は「首位はともかく、今日の勝ちは大きい」と喜んだ。このリリーフ陣なら、再び頂点を-。そう思わせる勝ち方だった。【古川真弥】

 ▼ロッテのリーグ10勝一番乗りは前回日本一となった10年以来6年ぶり。ロッテの日本一は50、74、05、10年の4度だが、50年と05年もリーグ10勝一番乗り。前後期制だった74年も前期に限れば最初に10勝に到達している。