数センチの微修正が本物の証しだ。阪神ドラフト1位高山は10試合連続安打を記録した。同学年のDeNAドラフト1位今永とプロ初対決。1回は三遊間へのゴロで内野安打を稼ぎ、3回はスライダーに空振り三振。同点の6回1死、グリップを余らせてバットを握った。

 「真っすぐに相当差し込まれていたので、なんとか出塁しようと少しバットを短めに持って、タイミングも早めにしました」

 カウント1-1から外角スライダーを右前に運ぶ。この1本から4連打で2得点。「2本目(の安打)は出したいところで出せたので良かった」。類いまれな修正能力を発揮し、完勝を呼び込んだ。

 明大3年時、14年11月19日の明治神宮大会決勝で駒大今永と対戦。中継ぎ登板した左腕に2打数1安打と対応したが、完封負けしていた。「いいピッチャーです。大学の頃から真っすぐが強いイメージ。そういうイメージのまま打席に立ちました」。謙虚にライバルを褒めたたえつつも、きっちり2安打した。

 阪神ドラフト入団ルーキーの10試合連続安打は3人目。01年に12試合連続安打を放った赤星憲広氏以来となる。「いいことじゃないですかね。出ないより、出た方がいいので」。冷静な本人をよそに、周囲の期待は日に日に大きくなる。

 マルチ安打はチーム最多タイの6度目。金本監督は「塁に出るのが当たり前になってきている。それぐらい期待は大きかったけど、その期待に応えてくれている」と絶賛。もう、新人という肩書を外したくなる。【佐井陽介】

 ▼高山は2日DeNA戦から10試合連続安打。阪神のドラフト入団新人としては、01年赤星12試合、98年坪井10試合に次ぎ連続試合安打を2桁に乗せた。マルチ安打6度は西岡と並びチーム最多。また、この日の2安打はいずれも左腕の今永から。これでVS左投手打率3割8厘(26打数8安打)となり、対右投手の3割2分7厘(52打数17安打)とともに3割を超えた。