広島-阪神5回戦(マツダスタジアム)の練習で、選手会から新井貴浩内野手(39)にサプライズが仕掛けられた。

 緒方孝市監督(47)やコーチ、さらに選手全員、打撃投手ら裏方、グラウンドキーパーまでもが同じTシャツを着用。表面に「1歩ずつ大台への階段を登っています。(休憩をはさみながら)」の文字と新井の顔。背面にはファーストミットをつけた新井がこけているような写真があしらわれ「まさかあのアライさんが…」の文字が刻まれた。

 仕掛けたのは小窪哲也選手会長(31)ら選手会。「盛り上げようと思って」と鈴木清明球団本部長に相談すると、「せっかくなら全員で着られるものにしよう」と構想が膨らんだ。さらに黒田博樹投手(41)に相談すると、背面の文言が決まったと言う。

 数週間前から浮かんでいた構想。この日は入念に計画されたサプライズが実行された。「監督とかコーチも、お願いする前に着てくれた」と小窪。集合時間より早めに全員が集合。さらには遅れまいと急ぐ新井を鈴木本部長が引き留める入念ぶりだった。

 当然新井は猛ダッシュで“遅れて”円陣に加わった。「鈴木さんに呼び止められて…」。気まずそうにする新井に緒方監督が「おいおい」と言ってしばらくすると、ようやく新井は全員が自分のTシャツを着ていることに気付いた。ワンテンポ遅れた反応に円陣は大爆笑に包まれた。

 「全然知らなかったです。センスいいなと思いました」と新井。小窪は「盛り上がってくれればと思っていました。みんなが新井さんのことを思っている。新井さんからもチームのために、というのがすごく伝わってくるからだと思う」と笑顔だった。新井も「その日、その日で一生懸命やりたい」と気合十分。チーム一丸の広島が、まい進していく。