さらば20代。DeNA井納が7回3安打無失点で3勝目を挙げた。今日5月1日に30歳の誕生日を迎える右腕は「特に意識はしていないけど、チームの連敗を止められたことが良かった」と胸を張った。完封した前回登板の4月23日巨人戦から16イニング連続無失点。91球でバトンをつなぎ「粘って投げていくことしかできない。今日は球数も少なかったので次もいい投球ができるように頑張る」と次戦を見据えた。

 甲子園でしか味わえない光景がある。「勝っている状況で見られるのは最高の気分。毎回、楽しみにしている」。7回のマウンドだけは心なしか小走りで向かった。全方向に舞うジェット風船をグラウンドの中心から見渡した。「勝つ」。今季から始めた“マウンド作文”をプレート後方に書き込んだ。ゴメス、陽川、板山を3者凡退に仕留め、拳を握りしめた。

 上武大では4年生でエースの座をつかみ、社会人時代(NTT東日本)も3年目までは無名も、4年目の12年都市対抗で頭角を現し、プロ入りをつかんだ。「僕にとって4年目はキーになっている」と大器晩成型として歩んできた。今年がプロ4年目、三十路(みそじ)が本領発揮のタイミングになる。【為田聡史】