DeNAが首位巨人を黙らせた。売り出し中の2年目左腕の先発石田健大投手(23)が7回を被安打4、無四球、無失点の快投で完璧なゲームメーク。打線は看板打者の梶谷隆幸外野手(27)が6回に巨人田口のカーブを捉える3号決勝ソロで勝負を決めた。投打がかみ合い首位巨人に2連勝。ラミレス監督に初の1-0勝利をプレゼントした。ゴールデンウイークから始まった快進撃が、いよいよ本格化してきた。

 石田は腹を決めて巨人打線をにらみつけた。「どんどん押していった。最後まで腕を振り続けることができた」。1点リードの7回、先頭ギャレットに右越え三塁打を許しピンチを迎えた。無死三塁。5番クルーズへの初球はワンバウンドのチェンジアップで攻める。「1点はしょうがないと開き直って投げた」。2球目のベース板をかすめる外角への変化球は右翼への飛球だったが、右翼手桑原の好返球で、本塁を死守した。

 気がつけば「0行進」が続いている。チームの快進撃の口火を切った4日ヤクルト戦で6回0/3、同11日中日戦で7回、この日も7回を無失点に抑え、20イニング連続無失点中。「全然、気づいていないし、全く意識もしていなかった。まだまだ勝てるように頑張りたい」と無心で腕を振り続けた先に、結果もしっかりとついてきている。

 負けん気の強さがマウンドでの粘りを生んだ。投げ合った巨人田口は同じ広島出身で同郷対決だった。普段は顔を合わせれば会話もする仲だが「年下の投手には負けられない。先に点を取られないように低めを意識した」とロースコアの我慢比べに耐え抜いた。

 今季チーム初の1得点完封勝ちでチーム防御率3・11で12球団トップに君臨。防御率2・68でローテ陣の一角を担う伸び盛りの若手左腕にラミレス監督も「彼はマウンドで何をすべきか分かっている。ストレートも走っていたし、チェンジアップも良かった。素晴らしい投球だった」。ヒーローの副賞として贈呈された米俵を担いだ石田が福島でも光った。【為田聡史】

 ◆石田健大(いしだ・けんた)1993年(平5)3月1日、広島市生まれ。広島工では3年春の中国大会優勝も甲子園出場はなし。法大では通算19勝16敗。14年ドラフト2位でDeNA入団。180センチ、85キロ。左投げ左打ち。今季推定年俸1800万円。独身。