強打者封じで月間MVPや! セ・パ交流戦前、最後の1週間。阪神原口文仁捕手(24)が今日24日からヤクルト、巨人の東京6連戦で攻守にわたるリードを期待される。特にヤクルト山田、巨人坂本には痛打を浴びており、細心の配球が求められる。頭脳で勝負し、候補に挙げられる月間MVPと交流戦前での貯金生活を追い求める。

 シンデレラストーリーを地でいく原口が、難敵相手に捕手としての力量を試される。育成経験のある野手として初の月間MVPがかかる原口が東京6連戦の要警戒打者に挙げたのはヤクルト山田と巨人坂本だ。今季、対阪神戦の打率は山田は4割6分4厘、坂本は4割4分とかなり打ち込まれている。「(抑えるのは)なかなか難しい。なんとか1打席1打席1試合1試合反応を見て」としながらも「多少、傾向というのはつかんではきてます。投手との兼ね合いはありますけど、つかんだ傾向を使ってうまく攻めていけたらと思います」と研究の成果で相手打線を手玉に取りたい。

 反省がある。8日ヤクルト戦の1回1死一塁。山田に能見の直球を捉えられ、左翼席に先制2ランを被弾した。「1球目を狙われた。狙われるというのは配球ミス」。初球をたたかれ、細やかな配球が求められる。11日巨人戦でも1回、坂本に左中間へ本塁打を放り込まれた。いずれも、投手が不安定な立ち上がりに打たれたもの。プレーボール直後が重要になるだろう。

 22日の広島戦では4番松山と5番エルドレッドの2人を計6安打4四球と、アウトすら取れず得点につながり10失点。「その前の試合(21日広島戦)は打たれてもシングル(単打)。しっかり抑えられた。最少失点に抑えておかないと大量失点になってしまう。チームの反撃ムードが厳しくなってしまう。しっかり抑えて攻撃のリズムを作っていきたい」。中軸を抑える重要性を感じただろう。

 5月の打率は4割と大当たり。月間MVPも狙える位置だが「いやいやそんなことは」と控えめ。それでも「僕も状態はいいんで」と打撃の状態に胸を張る。育成経験者の月間MVP受賞となれば12年巨人山口以来。シンデレラボーイの勲章になるのは間違いない。天敵山田&坂本封じ、そして、好調なバットで交流戦に向けて貯金を作りたい。【山川智之】