阪神能見は6回で降板した。左肘の不安を抱えながら中8日をあけた先発マウンド。6回を1安打1失点、90球で投げ終えて、救援陣に託した。ひやひやの逃げ切り勝ちで4戦ぶり白星となる3勝目をマーク。ヤクルト戦の勝利は14年9月17日の神宮球場以来、2年ぶり。昨季は3戦3敗を喫した苦手ぶりを、力投で拭った。

 1回に最速147キロを計測するなど直球にキレと強さがあった。「飛ばしたわけじゃないけど真っすぐの質が良かった。それで押せていけた」。4点リードの4回に先頭から2者連続四球を与え、無死一、二塁で4番バレンティンに中前適時打を献上。この被安打1も二塁北條の手前で打球が跳ねる不運も影響していた。打っては3回1死満塁でセンター後方に打ち上げ、プロ初犠飛も記録。通算87勝となり、かつてのエース井川を抜いて球団単独11位、左腕では江夏、山本和に続く単独3位に躍り出た。

 当然、7回、8回と投げ続ければ、ゲーム終盤のもつれは防げたかもしれない。金本監督は「肘の不安があったので。本来はもう1イニングは行きたかったけどね」と説明した。患部は大事には至らないとみられるが、チーム浮上に欠かせない左腕だけに、左肘の完全回復が待たれる。