ソフトバンク東浜が2位ロッテを8回4安打無失点に抑え、今季負けなしの3連勝を飾った。力強い直球にシンカーを効果的に使った。3回以降は二塁も踏ませない力投で、相手エース涌井との投手戦を制した。「1人ずつ全力で投げる意識だった。相手はエースなので、勉強しながら、投げさせてもらった」と堂々と話した。

 前回登板の19日・日本ハム戦は6回途中で4失点KO。翌日には「人生で初めてです。本当に焦りました」と言う大寝坊で東京への移動便に乗り遅れ、練習を欠席する失態を犯した。「昔なら即2軍だったけど。特に次の投球でとは言わないよ。プレッシャーになる」と工藤監督は罰金ではなく「休日没収での筋肉トレーニング」を科し、奮起を期待した。

 ミスを取り戻すには十分の内容で、8回2死、細谷にはこの日最速タイの147キロ直球で狙い通りに空振り三振を奪った。95球。完封も意識したが、サファテと交代。「8回に球が抜けていたので…」と、悔しがった。期待に応えられなかった過去3年間とはまったく違う。工藤監督も「今年一番じゃないですか。逃げないところが良かった」と褒めた。チームは5連勝で貯金は今季最多の16個。2位ロッテと4ゲーム差に広げた。立役者はもちろん東浜だ。【石橋隆雄】