日本ハム大谷翔平投手(21)に、「163キロ休暇」が与えられる? 12日阪神戦で160キロ超えを連発して5勝目を挙げた大谷が、一夜明けた13日、新潟へ空路で移動した。今日14日からのDeNA3連戦(新潟、横浜)は通常なら野手出場のカードだが、3連続となった「リアル二刀流」の疲労も考慮。次回登板予定の19日中日戦(ナゴヤドーム)へ万全を期すため、欠場の可能性が出てきた。

 「行ったことないです」という、人生初の越後での試合。打者として2年ぶりの2桁本塁打もかかるが、障壁がある。セ・リーグ主催試合のため、指名打者がない。栗山監督は「守備は絶対にない」と明言する。出場するなら代打に限られる。ベンチ入りについても、指揮官は「火曜日の午前中まで、じっくり考えます」と悩む胸中を明かした。

 一世一代とも言える快投が、栗山監督の判断を慎重にさせる。阪神戦は圧倒的なパフォーマンスで、163キロ5球を含む、31球が160キロ以上だった。大谷も「これを毎回続けることは出来ない」と話すほどで、肉体への反動も起こるかもしれない。

 5月29日楽天戦から先発登板した3試合で「リアル二刀流」も継続中。次回先発予定の中日戦もDH制がなく、投打でフル稼働の予定だ。栗山監督は「状態次第。まだ何も考えてない」と熟考中。打率3割4分3厘、9本塁打を誇る「最強の代打」、または長いシーズンを見据えての「163キロ休暇」を与えるか。ベストな選択を見極めることになりそうだ。【木下大輔】

 ◆大谷の12日阪神戦VTR 「5番・投手」で出場。投手では初回、鳥谷、西岡、ゴメスに対して3者連続三振を奪った。西岡に2球、ゴメスには1球、自身が持つ日本球界最速の163キロ直球を投げ込んだ。7回を投げ3安打8奪三振無失点。直球58球のうち160キロ台が31球、163キロは5球。直球の平均球速は159・7キロ。すべてのイニングで160キロ台を記録した。打者では2打数無安打。