あっと驚く3打席連続本塁打だ。巨人ギャレット・ジョーンズ外野手(35)がDeNA11回戦で、第1打席から3打席連続アーチを決めた。巨人では現DeNA監督のラミレス以来6年ぶりの快挙だ。キャシー夫人(26)と長男ジャクソン君(4)が観戦する前で、メジャー通算122発の実力の片りんをようやく披露。チームの連敗を2で止め、2位に浮上させた。

 ざわつく場内をよそに、ギャレットは平然としていた。5回2死一、二塁の第3打席。胸が反り返るほど左足に体重を残し、モスコーソの内角直球をしばきあげた。2回のバックスクリーンへの3ラン、4回の右翼席最上段への特大ソロに続く3打席連発。両手を斜め上に伸ばす新パフォーマンス「DAB(ダブ)ポーズ」を決める阿部に出迎えられると、ようやくほおを緩めた。米マイナー時代に4打席連続弾を放っているが「貢献する一打を打てて良かったよ」と声を弾ませた。

 どん底からはい上がった。不振で5月23日に“マイナー通告”を受けた。「何を期待されているのか」。悔しさとプライドは胸にしまい自問自答した。自宅では元ソフトボール選手のキャシー夫人と打席の映像をチェック。表情から自信が消えていると“ダメ出し”され長打力が持ち味と再確認した。右足の上げ幅を小さくしてボールを見る時間を長くし、体が投手方向に突っ込まないフォームに修正。打球が上がりだした。

 10日の1軍再合流時には、自信が戻っていた。守備で橋本到と激突した14日楽天戦後、強打した顔面を冷やしながら「グッド」と何度もつぶやいた。「体じゃなくて調子が、だ。もっと良くなる」。降格前は2割2分5厘の打率が再昇格後は3割6分1厘。12本塁打中半分の6本塁打と好相性の横浜スタジアムでの3連発で自信は深まったが「一過性に終わらず波を作らないようにしたい」と浮かれず締めた。【浜本卓也】