日本ハムの勢いが止まらない。ロッテに大勝して、今季の球界最多12連勝を飾った。1回に1点を先制された直後、陽岱鋼外野手(29)の10号逆転2ランなど打者12人の猛攻で、今季1イニング最多7得点。一気に主導権を奪い、先発全員安打の12得点で2位に再浮上した。07年の球団記録(14連勝)に次ぐ12連勝で、首位ソフトバンクとのゲーム差を5・5に縮めた。

 乗ってるチームは、先行されても関係ない。日本ハム打線が1点を追う1回裏に爆発した。火付け役は陽岱鋼だ。1死一塁。「自分が狙った球が来るまで、我慢できた」。真ん中付近の直球をコンパクトに振り抜き、左翼席へ2年ぶりの2桁本塁打となる逆転10号2ランを放った。続く中田から4安打に3四球、1犠飛と、面白いように打線がつながった。打者12人で6安打を集中して今季の1イニング最多となる7得点。実に32分21秒をかけた総攻撃で9年ぶりの12連勝を一気に決めた。

 ロッテ先発の二木には、前回対戦で抑えられていた。函館で対戦した5月26日。6回で6安打を放ちながら1得点。タイミングの取りづらいフォームにてこずっていた。この日の試合前ミーティングでは、自分のタイミングで打つことを確認。決勝弾の陽岱鋼を含めて、初回は安打を放った6人中5人の打者が追い込まれる前に結果を出した。

 2回以降も手綱は緩めなかった。けん引したのは主将兼選手会長の大野だ。2回に2点適時二塁打を放つと、5回は4号ソロ。7回はプロ8年目で初の2打席連続となる5号ソロ。ルーキーイヤーの09年以来となる1試合4打点もマークした。お立ち台で「今は1人1人が、やるべきことをやっている。やらなきゃいけないことを把握しているから今のチームがある」と、チームを代表して言った。

 6月19日に始まった連勝街道は、名古屋を起点に横浜→神戸→札幌→福岡を経由して再び札幌に舞い戻った。2位に再浮上し、首位ソフトバンクとは5・5差に詰めよった。だが、栗山監督は「全然ダメ。(首位の)背中が見えるまで必死に食らいつくしかない」と、勝ってかぶとの緒を締めた。宿敵を追い抜くまで、一心不乱に白星を重ね続ける。【木下大輔】

 ▼日本ハムが07年の14連勝以来、球団史上2度目の12連勝をマークした。初回に打者12人で7得点。日本ハムが初回に7点以上挙げたのは、00年9月10日オリックス戦(7点)以来16年ぶり。今季のパ・リーグ各チームの初回合計得点を出すと<1>日本ハム58<2>ソフトバンク54<3>ロッテ38<4>オリックス35<5>西武26<6>楽天21。昨季は初回にリーグ最少の44点しか奪えず、延長を除き初回の得点が最も少なかったが、今季は相手の立ち上がりを攻略している。