阪神鳥谷敬内野手(35)は2試合連続でスタメンを外れた。8回の遊撃守備から出場し、その裏の打席でゴメスのV2ランに続いて中前打。金本知憲監督(48)はそれでも、スタメン復帰に慎重な姿勢だった。打線は4回、4番福留から4連続長短打と大和の犠飛で3得点。1回の3点ビハインドを、ワンチャンスで追いつくつながりをみせた。

 鳥谷が意地の「2試合連続安打」をマークした。2試合連続でスタメンを外れ、8回表に11年10月24日広島戦以来5年ぶり守備からの出場。定位置の遊撃を守ったその裏、ゴメスの勝ち越し2ランが出た直後の打席で甘く入ったルーキのスライダーを中前にはじき返した。「とにかくチームが勝てて良かったです」。野手の主将らしく、甲子園での連敗ストップを喜んだ。

 24日、マツダスタジアムでの広島戦。不振のため、12年から4年以上続けてきたフルイニング出場は歴代4位の667試合で途切れた。その試合も途中出場ながら1安打1死球で2打点をマーク。不慣れなリズムを克服して結果を出した。この日、プレーボールから甲子園のベンチに座るのも久々の感覚。だがいつ訪れるかも知れない出番に備え、ベンチ裏などでの準備を怠らなかった。

 取り戻しつつある好感触。いよいよスタメン復帰か。だが金本監督は慎重だった。「早く打撃の感じというか、モチベーションと数字を上げていってほしい。自信を取り戻すまではね、中途半端に戻したくはないんでね」。まだ本調子ではないと分析。遊撃は大和が守り、2番には二塁で北條が先発した。「(今スタメンに戻して)同じことを繰り返すと、次は本当にショックを受けるかも知れない。そこへの配慮もあって、しばらくは、と思っています」。性急な判断は鳥谷のためにならない。スタメン復帰時期は、じっくり見定める。今日以降も命じるベンチスタートからはい上がり、完全復活せよ。金本監督と鳥谷による、二人三脚第2章が始まった。【松井清員】