巨人は広島戦同一カード3連勝まで、あと1死で勝利を手放した。3連投の守護神沢村が2死から同点ソロを献上。さらに2死一塁から新井のレフトライナーを、チーム屈指の守備力を誇る松本がダイレクト捕球を狙い、後逸した。ラインドライブのかかった難しい打球。「捕れると思ったから捕りに行った。捕れるように練習します」と責任の重さを受け止めた。

 高橋監督は悲観することなく自軍の戦いぶりに胸を張った。「内容の悪い試合ではない。結果は1つ負けたが何か言われても特にない。いい試合だった」。心中の悔しさは見せず、周りを鼓舞するように言った。

 7連勝中では最大ビハインドの3点差をはね返し、打線の好調ぶりを示した。だがこの日は1点を奪い、なおも5回無死満塁で追加点を入れられないなど、ややほころびがあった。わずかな亀裂が最後に広島を蘇生させ、サヨナラ負けを招いた。村田真ヘッドコーチは「負けが現実としてある。3タテは目前だった」と言葉を残した。

 この1週間で3・5ゲームを縮めた。「1年間、いい時ばかりじゃない。こうして選手も頑張ってくれて、いいものが出てきている。勝負どころに向けて、いいことしか浮かんでいない」。高橋監督は近く迎えるであろう剣が峰の戦いを見据えた。【広重竜太郎】