巨人は開始30分で、ほぼ3連敗が見えてしまう内容だった。内海がサンドバッグのように打たれた。2死一、二塁。沈みが浅いチェンジアップを宮崎に右前適時打で先制され、歯止めがきかなくなった。直球のキレはなく、変化球も真ん中に集中した。9番石田にも打たれるなど6連打で6失点を献上。2回のマウンドに姿はなく、プロ入り最短KOだった。高橋監督は「打たれすぎだし、点も取られすぎ。(初回6失点では)何もできなくなる」と打つ手が限定され、広島と10ゲーム差まで広がった。

 首位との直接対決だった前カードの広島戦を1勝2敗と負け越し。逆転優勝の目が消えかかる中で仕切り直した。マイコラスを明日28日に中4日、エース菅野を30日のヤクルト戦に中5日で据える。ファイティングポーズを取り続けろ-。ローテ再編は全軍へのメッセージでもあった。

 思いは共有した内海だが、マウンドでは何も表現できなかった。4戦連続で7イニング以上を投げ、安定感はあるが勝負の広島戦ではなく中8日でDeNA戦に回された。調整は難しいが、酸いも甘いも知るベテランは持ち場で任務を遂行することが求められた。「次、頑張ります」。チームが急失速する今こそ、ベテランが投球で体現する必要がある。【広重竜太郎】

 ▼内海が自己最短の1回KO。初回の投球数は50。2リーグ制後、巨人で初回に50球を投げたのは内海が初めて。