日本ハム大谷翔平投手(22)が、「大逆転Vローテ」の中心になる。今日13日からのオリックス3連戦(札幌ドーム)は、初戦に投手復帰2戦目の大谷、2戦目はチームトップの10勝を挙げる有原航平投手(24)が先発する。ともに中7日で21日からのソフトバンク2連戦(ヤフオクドーム)へ向かう見込み。シーズン最後の直接対決に先発2枚看板を投入する勝負手で、最大11・5差からの大逆転Vを完結させる。

 先に控える天王山へ向けた試金石のマウンドへ気を引き締めた。12日、札幌市内の寮で静養した大谷は、投手復帰2戦目に向け「しっかり抑えることが一番。内容はその後だと思います」。7日ロッテ戦で45日ぶりに実戦登板した。先発し40球前後の制限の中で2回2安打1失点だった。前回よりは増えるが、今回も球数制限される見込み。リミッター解除とはならないが、結果優先の本気モードだ。

 投手本格復帰への最終段階だが、調整という考えは毛頭ない。「まずもって(前回登板も)調整だと思っていない」と、自己最速タイ163キロもマークした復帰戦を振り返った。首脳陣が「投手・大谷」の復帰のタイミングを慎重に図ってきた意図も感じている。「結構大事というか、相当大事」と、カード頭を任された責任とともに自覚するのは、翌週の大一番へ向けたものもある。

 チームは強力な先発2枚看板を、勝負どころに投入する。オリックス3連戦は大谷に続いて、チームトップの10勝右腕の有原が2戦目に先発。昨季の新人王は2日オリックス戦の先発後に出場選手登録抹消されたが、満を持して先発ローテに復帰させる。そして、完全復活へ段階を経た大谷とともに中7日と万全を期して、21日からのソフトバンク2連戦(ヤフオクドーム)に先発させる青写真を描く。

 栗山監督は「いってもらう人にいってもらう。目いっぱい、いく。チャレンジャーだから、最後まで、しがみつく」と、最後の直接対決を見据える。その前の本拠地での6試合で弾みを付けるためにも、先陣を切る大谷は「(状態は)だいぶ良くなっていると思います。優勝すれば何でもいい」と言い切った。好調な打撃も含めて「二刀流」をフル回転させ、大逆転ドラマのフィナーレに向かう。【木下大輔】

 ▼今季の日本ハム-ソフトバンク戦は日本ハムが13勝9敗1分けと、既にシーズン勝ち越しを決めている。9敗のうち6敗は1点差の接戦。ヤフオクドームでも7勝3敗と分がいい。

 ▼大谷-武田の今季先発対決は4月24日だけで、ともに勝敗なしだった。有原-和田は7月29日、8月5日、同19日の3度あり、すべて和田が勝利投手になっている。

 ◆日本ハム大谷の前回登板(7日ロッテ戦=札幌ドーム) 右手中指のマメがつぶれた影響で、7月24日以来の実戦、先発では7月10日以来59日ぶりの登板。1回、デスパイネへの5球目に、自身が持つ日本球界最速に並ぶ163キロ。全38球のうち160キロ台は11球。初球から21球連続直球で2回2安打1失点だった。