阪神工藤泰成投手(24)が2年目でプロ初勝利をつかんだ。前日11日には球団最速タイの163キロを計測。剛腕披露の翌日に、うれしい白星が巡ってきた。チームは2カード連続の勝ち越しで単独首位をキープした。

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工藤が努力、苦労の先のプロ初白星だ。入団前は四国IL徳島に在籍。独立リーグにはアルバイトをする選手もいるが、右腕は親に直談判した。

「1年でNPBに行くから。ごめん。野球に専念させて」

親から仕送りをもらいながら、ストイックな生活を続けた。ウエートトレーニングと、食事は1日に何度も白米、ブロッコリー、鶏肉。剛速球を投げる肉体をつくった。宣言通りに24年10月のドラフト会議で育成1位指名。「ドラフトにかかって感謝を」とプレゼントで親孝行もした。

目標を達成したが、気を緩めることはなかった。胸には支配下指名を勝ち取れなかったことへの悔しさもあった。周りは祝福ムードだったが、25年の正月は実家で過ごしながら1日も休まずトレーニング。準備を続けて臨んだ春季キャンプ、オープン戦でアピールし、球団新人初の開幕前の支配下昇格を果たした。

“証し”といえるものがある。四国IL徳島時代につくったグラブ。「鬼」の漢字1字の刺しゅうが入っている。「『(練習の)鬼になれ』という感じで入れました」。練習時に用いてNPB入りへ鍛錬を積んだ。阪神入団後も練習で使用。努力の鬼が今後も虎のブルペンを支える。【25年阪神担当=塚本光】

◆工藤泰成(くどう・たいせい)2001年(平13)11月19日生まれ、秋田市出身。明桜(現ノースアジア大明桜)、東京国際大を経て、24年に四国IL徳島入団し主に先発で8勝を挙げ最多勝を獲得した。同年育成ドラフト1位で阪神に入団。25年3月7日、球団初となる開幕前の支配下昇格が発表された。趣味は筋力トレーニング。177センチ、82キロ。右投げ左打ち。今季推定年俸は840万円。